生誕100周年記念 安野光雅展

2026年3月4日(水)ー 5月10日(日)

貴重な初期作品を含む代表作から原画約130点を紹介
ふしぎと発見の「安野ワールド」を体感! 創作世界を未来へとつなげる回顧展

膨大な作品を残した安野光雅は、1926年に自然豊かな島根県津和野町に生まれ、好奇心にあふれた、絵を描くことが大好きな少年でした。戦後は美術教員を務めながら、芸術や科学、数学、そして人の営みに興味を持って創作を続け、やがて多くの絵本や文章を残す比類なき画家となりました。

本展では『ふしぎなえ』『旅の絵本』『天動説の絵本』(いずれも福音館書店)、『おおきな ものの すきな おうさま』(講談社)など代表作の絵本原画約130点に加え、安野が描いた「風景」「歴史」といった普遍的なテーマをとらえ直し、キュレーションするPLAY! 独自の展示空間「絵画館」を設置。さらに、絵を拡大、立体にして視点を変化させるなど、多彩な仕掛けを通して安野が絵に込めたメッセージを体感できる会場構成です。そのほか、安野から影響を受け、現在最前線で活躍するクリエイターたちの言葉で未来に語り継ぐ、映像「先生へ」を展示します。

美しい緻密な原画と、ふしぎと発見にあふれる安野ワールドを体験していただき、安野光雅の創作世界を未来へとつなげる展覧会です。

展覧会の4つの見どころ

初期三部作、人気シリーズ『旅の絵本』など、貴重な絵本原画を展示

『天動説の絵本』〈表紙〉
1979年 (福音館書店)
 所蔵:津和野町立安野光雅美術館 ©空想工房

絵本デビュー作『ふしぎなえ』から『さかさま』『ふしぎな さーかす』まで、自身を「空想犯」と呼んだ安野ワールドの入口となる初期三部作の貴重な原画を展示します。さらには、安野が旅した各国の人々の暮らし、歴史や物語を、一人の旅人の歩みとして味わう名作『旅の絵本』シリーズからは、とりわけ緑豊かな情景が美しい「イギリス編」の原画を全点展示。また人間の欲求をユーモアたっぷりに描いた『おおきな ものの すきな おうさま』、地動説をめぐる人類の苦難の歴史を描いた大作で、国際的にも評価の高い『天動説の絵本』の原画の一部など、生誕100周年展にふさわしいラインナップで展観します。

ー安野が絵本作家になったきっかけとは?

1926年に島根県の津和野町に生まれた安野は幼い頃から絵描きを志し、小学校教員を経て上京。明星学園小学校(東京都三鷹市)で美術教員を務めていたとき、教え子の父親であった福音館書店の編集長(当時)松居直と出会い、絵本を描くように誘われます。1968年、エッシャーに触発され描いた、だまし絵だけで構成する文字のない絵本『ふしぎなえ』を発表し、たちまち人気を呼びました。著作は海外でも高く評価され、国内外で数多くの賞を受賞しています。
『ふしぎなえ』は、現実にはあり得ない世界が、だまし絵の手法を用いて描かれています。罫線を正確に引くことから始まる緻密な構成、細部に至るまで手間を惜しまない丁寧な描写、水彩による繊細な色彩表現も大きな特徴の一つです。
安野は、絵本の世界で空想と発見の楽しみを伝える手応えを得て、続けて『さかさま』(1969)、『ふしぎな さーかす』(1971)を制作し、独自の世界観を確立しました。本展ではこの初期三部作と称される貴重な絵本の原画を披露します。

PLAY! 内に登場!「絵画館」で、画家・安野光雅に出会う

数ある絵本や物語の挿絵から一場面を取り出し、安野が描き続けた風景、歴史、自然描写といったテーマごとに構成し、会場内に「絵画館」をつくって特別展示を行います。画家・安野光雅の画力や表現力に新たに光を当てたキュレーションによって、魅力ある一枚絵を味わっていただく試みです。

③「空想とともに」
安野が描いた無限空想に入り込む巨大な空間

安野光雅の絵は、無限の空想へのジャンプ台です。緻密な仕上げと余白、遊び心とユーモア、そして人類や歴史への敬意が相まって、「好奇心」という人の不思議な力を刺激します。本展では安野の企みをいっそう感じてもらうために、PLAY! MUSEUMならではの体験型展示を展開します。

旅の風景を再現する大空間「旅の絵本」の世界を体感!
高さ3m×長さ50m に渡る楕円形の壁一面に、大きく引き伸ばした安野作品を展示

安野の代表作の一つ「旅の絵本」シリーズは、安野がヨーロッパに旅した折、着陸間際の飛行機の窓から見た風景に着想を得て、1977年に誕生しました。三角帽子の旅人がひとつの国をめぐり、その土地に生きる人々の営みや歴史を、イマジネーション豊かな鳥瞰図として描いた名作絵本です。
本展では、PLAY! MUSEUMの中央にある楕円の展示室をいっぱいに活用し、細密に描き込まれた絵をさまざまな手法で紹介します。来場者はまず、「イギリス編」の原画全点を鑑賞。続いて、高さ3m×長さ50mの壁面に、シリーズら厳選した 8つの場面を大きく引き延ばし、それを安野が飛行機から見下ろした風景のように、窓越しに覗き込む体験ができます。全体の展示会場デザインを担当する ima(小林恭+マナ)は、「安野さんが旅のなかで出会った驚きやときめき、その気持ちを体感できる空間にしたい」と語っています。

そのほか『おおきな ものの すきな おうさま』に登場する大きなものを原寸大で作り展示。随所に視点を変化させる仕掛けを取り入れ、見る者を新たな発見へと誘います。

インタビュー映像「先生へ」ー安野から受け取ったバトンを未来へ

安野は着眼点や表現のパイオニオアでした。空想や不思議への眼差し、『ふしぎなえ』や『旅の絵本』シリーズなど文字のない絵本をはじめ、安野の表現は同時代や現代の作家にも多大な影響を及ぼしてきました。本展では、安野から影響を受けた6名のクリエイターたちが、安野から受け取った大切なことを語り、未来へと託すインタビュー映像「先生へ」を上映します。

参加クリエイター:安野モヨコ、片桐仁、きくちちき、tupera tupera、辻川幸一郎、ナカムラクニオ

会場限定のオリジナルグッズや、展覧会公式図録にも注目


イメージ写真 「生誕100周年記念 安野光雅展」オリジナルグッズ
(ランチトートバッグ、ハンドタオル、横長ハンカチ、津和野のざら茶など)

オリジナルグッズでは、『ふしぎなえ』や『旅の絵本』など、 絵本の世界観をそのまま楽しむことができます。トートバッグやポーチ、 ハンカチなど、 日々の暮らしに彩りを添えるラインナップです。

図録には、本展の出品作品の図版約130点全点を紹介。 その他に、6人のクリエイターが安野光雅を語るインタビュー、本展キュレーターの林綾野によるエッセー「優しさの秘密」を収めた、充実の公式図録です。 展覧会で展開される演出のエッセンスと連動したブックデザインも魅力のひとつ。会場で手に取ってご覧ください。


◾️作家プロフィール

島根県津和野町に生まれる。50年に上京し、三鷹市や武蔵野市などで図画工作科の小学校教員をつとめる。1961年、画家として独立。1968年、文章のない絵本『ふしぎなえ』で絵本作家としてデビュー後。画家・絵本作家・装幀家・文筆家として活躍。科学や文学にも造詣が深く、生涯にわたり独創的な作品を発表した。

1974年、芸術選奨文部大臣新人賞をはじめ、最も美しい50冊の本賞(アメリカ)、ケイト・グリーナウェイ賞特別賞(イギリス)、BIBゴールデンアップル賞(チェコスロバキア)、ボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞(イタリア)、国際アンデルセン賞、菊池寛賞など、国内外の数多くの賞を受賞。1988年紫綬褒章受章、2012年文化功労者選出。2001年、故郷・津和野に「安野光雅美術館」が開館した。

プロフィール写真 所蔵:津和野町立安野光雅美術館


開催概要

会  期:2026年3月4日(水)ー 5月10日(日)*会期中無休
会  場:PLAY! MUSEUM(東京・⽴川)
開館時間:10:00-17:00(土日祝は18:00まで/入場は閉館の30分前まで)
入 場 料:一般1,800円/大学生1,200円/高校生1,000円/中学生600円/小学生600円/未就学児無料
*障がい者割引、立川割、PLAY! 割など、各種割引あり
*いずれも税込
*当日券で入場可。土日祝および混雑が予想される日は事前決済の日付指定券(オンラインチケット)を販売(販売開始日未定)
主  催:PLAY! MUSEUM
特別協力:津和野町立安野光雅美術館
協  力:福音館書店
キュレーター:林綾野
会場構成:設計事務所 ima
会場グラフィックデザイン:ido LLC


会場へのアクセス

JR立川駅北口・多摩モノレール立川北駅(国営昭和記念公園方面)より徒歩約10分
昭和記念公園側ではなく、サンサンロード側(多摩モノレール線路下)からGREEN SPRINGSへお入りください。

*JR立川駅までのアクセス
中央線(中央特快・青梅特快)新宿駅から25分、東京駅から39分
全席指定のJR中央線特急で新宿駅から23分

地図で場所を確認

写真で道順を確認(おすすめ)

動画で道順を確認