

今なお愛され続ける安西水丸
これまでの巡回展に新たなPLAY! 独自の展示を加え
安西水丸の仕事を総点数500点以上でたどる
安西水丸(1942-2014)は、1970年代から小説、漫画、絵本、エッセイや広告など、多方面で活躍し、現在でも多くの人を魅了しつづけるイラストレーターです。広告会社や出版社でデザインの仕事をしながら、雑誌「ガロ」に掲載した漫画『青の時代』が高い評価を受けるなど徐々に頭角を表し、独立後は、村上春樹をはじめとする本の装丁や、『がたん ごとん がたん ごとん』など絵本の創作、執筆などさらに活動の幅を広げていきました。
本展は2016年から各地を巡回し話題を集めた「イラストレーター 安西水丸展」に新たな展示を加え、PLAY! MUSEUMから再始動する展覧会です。生前、安西は自身のことを「今でも小学生の絵を描いている、普通の人」とあらわし、「仕事」と「あそび」を行き来しながら制作を続けました。PLAY! ではその仕事のスタイルに着目し、会場では、安西にとって描くことの原点だった「あそび」の感覚をたどりながら、彼の「全仕事」を印刷物、原画、版画、関連資料約400点以上で紹介。そして本展でもPLAY! MUSEUMの楕円型の展示室では、約50mの壁に沿って、画面を横切る一本線が特徴の「ホリゾン作品」約70点を一挙に展示します。安西のイラストレーションと、彼の原風景「房総半島・千倉の海」の水平線がひと続きに繋がったPLAY! ならではの空間演出も見どころです。
3つの見どころ
見どころ①
40年以上にわたる安西水丸の全仕事を一挙公開
イラストレーターという枠にはまることなく、小説、漫画、絵本、エッセイや広告など、多彩な創作活動で時代の第一線を歩み続け幅広く活動した安西水丸。「仕事」と「あそび」を行き来しながら描かれたイラストレーションは、都会的で洗練されたタッチが支持されると共に「ヘタウマ」と評されることがあり、シンプルながら誰にも真似することのできない安西独特の存在感があります。
<「仕事」と「あそび」を行き来する多彩な作品400点以上でたどる>
多方面で活躍した安西の仕事約400点以上をジャンルに分けて紹介。40年以上の間に制作された「全仕事」ともいえる多彩な作品を通して、安西のあそびごころが溢れる世界観に浸れます。


<村上春樹『午後の最後の芝生』をイメージして描かれた原画が、巡回展初出品!>
安西が装丁を担当した村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』をはじめ、エッセイ、絵本などの共著があるふたり。お互いを「兄弟のようだ」と語るほど親交が深く、多くの仕事を共にしました。本展では、近年安西のアトリエで見つかった、村上の初期短編『午後の最後の芝生』をイメージして描かれた原画をPLAY! の巡回より初出品します。また村上以外にも安西と親交が深かった、嵐山光三郎や和田誠との共作なども振り返ります。


<作品のモチーフにもなった安西の美意識があふれる収集品の数々を展示>
安西はイラストレーションを描く時、特別なモチーフは用意せず、多くはくだもの、猫、酒瓶、貝殻、旅先で手に入れた郷土玩具など、日頃身の回りにあるものを描きました。自身の好きなものを独自の美意識で見つめる「収集家」として知られた安西の雑貨コレクションも、しばしばモチーフとなりました。
本展では、繰り返し作品に描かれたスノードームをはじめ、中国の悲恋の物語を描いた英国のアンティーク陶磁器・ブルーウィローや、アメリカンフォークアートなど民芸品、丸ペンや万年筆といった仕事道具など、安西のアトリエに賑やかに飾られた収集品の一部を展示します。



<貴重な制作風景が見られる「日本の文学」シリーズの制作映像>
フリーのイラストレーターとして活動を始めた1980年代に取り組んだ「日本の文学」シリーズ(ほるぷ出版)。夏目漱石、宮沢賢治、太宰治、三島由紀夫など、日本の近代文学を彩る文学全集全87冊の装画に取り組み、話題になりました。当時の安西の制作風景を記録した貴重な映像を展示します。


見どころ②
PLAY! 独自!全長50mにも及ぶ楕円空間での特別展示
「一本の水平線」のイラスト、約70点からなる「海」を感じる空間演出
安西はしばしばイラストレーションの中に、画面を横切る一本の線を引きました。この線を引くことで、コーヒーカップがテーブルの上に置かれているように、花瓶は出窓に飾られているように、絵の中に空間の広がりが生まれます。安西はこの線を「ホリゾン(水平線)」と呼び、彼の作品のトレードマークとなりました。この「ホリゾン」は、安西が幼少期を過ごした海辺の街、千葉県千倉の海に由来します。
<安西のトレードマークともなる「ホリゾン」(水平線)作品を一挙展示>
PLAY! MUSEUMならではの楕円型の展示室では、個展などで発表を続けてきた作品に加え、近年アトリエで発見された原画や、それらをもとに新たに作成したジークレー版画を含む、約70点の「ホリゾン」作品を一挙に展示します。
さらに安西が幼少期に見ていた風景「房総半島・千倉の海」の映像を上映。初期から晩年まで描き続けた「ホリゾン」作品と、安西の原風景が1本の「水平線」のように連なった展示が、時代を超え、どこまでも続いていくような空間演出として楽しめます。
*ジークレー版画とはインクジェットプリンターを用いたデジタル版画



<安西が幼少期を過ごした特別な千倉の海を、撮り下ろし映像で紹介>
刻々と変わる海の色、潮騒、里山、野鳥の声など、豊かな自然以外「何もない」当時の千倉の環境が、幼少期の安西の想像力や美意識を育みました。絵を描く楽しみを覚え、多感な時期を過ごした安西にとって特別な場所、それが千倉です。本展では新たに撮り下ろした映像と、安西が晩年取材を共にしていた木村伊兵衛写真賞作家の中野正貴の写真を上映。PLAY! MUSEUMの特徴ともいえる楕円の展示室に大きく投影し、安西の原風景を体感いただけます。


見どころ③
展示だけじゃない!PLAY! 限定でたのしめる3つのこと
【ワークショップ】水丸さんみたいに描いてみよう!「水丸るワークショップ」
ぬけの良さや心地よいゆるさがある安西のイラストレーションは、簡単に描いているようでも真似することができない、計算された独特の余白があります。本展では、その絶妙なバランスを体験する「水丸るワークショップ」を2種類開催します。描いて作って、みんなで水丸れる!ワークショップです。


【オリジナルグッズ】ポップで色彩豊かな会場限定のグッズが並びます
安西のポップで多彩な色調が特徴なイラストをあしらったオリジナルグッズを販売します。

【カフェ】昭和の風情を感じる「純喫茶プレイ」が登場
展覧会期間中限定で、PLAY! CAFEは「純喫茶プレイ」にコンセプトが変わります。安西が愛したカレーをはじめ、純喫茶ではかかせないメニューや展覧会とのコラボメニューも提供します。どこか懐かしい雰囲気を楽しみながら、展覧会の余韻をゆったり過ごせる喫茶空間が登場します。
◎その他の安西水丸展情報
2026年9月14日(月)ー10月25日(日)
「安西水丸とイラストレーション──絵があって、ぼくがいた。」
2026年秋に、武蔵野美術大学でも安西水丸の展覧会を開催
現在、安西の作品資料は武蔵野美術大学 美術館•図書館(武蔵美)と早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)に収蔵され、中長期的な研究や公開が進められています。
武蔵美では原画約13,000点が寄贈され、2026年秋に展覧会を開催予定です。

安西水丸(あんざい・みずまる)
1942年東京⽣まれ。⽇本⼤学芸術学部美術学科造形コース卒業。電通、ADAC(ニューヨークのデザインスタジオ)、平凡社でアートディレクターを務めた後、フリーのイラストレーターになる。1985年朝⽇広告賞、毎⽇広告賞、1987年⽇本グラフィック展年間作家優秀賞、1988年キネマ旬報読者賞など受賞多数。⼩説『アマリリス』
『荒れた海辺』、エッセイ『⻘⼭の⻘空』『スケッチブックの⼀⼈旅』、絵本『がたんごとんがたんごとん』『ピッキーとポッキー』など著書多数。2014年没。
開催概要

会 期:2026年5月20日(水)ー7月12日(日)*会期中無休
会 場:PLAY! MUSEUM(東京・⽴川)
開館時間:10:00-17:00(土日祝は18:00まで/入場は閉館30分前まで)
入 場 料:一般1,800円/大学生1,200円/高校生1,000円/中学生600円/小学生600円/未就学児無料
*障がい者割引、立川割など、各種割引あり(併用不可)
*いずれも税込
*安全管理上、保護者1名につき子ども(小学生・未就学児)2名まで。保護者1名につき子ども3名以上の入場はお断りしています。子ども(小学生・未就学児)のみの入場はできません。保護者(18歳以上)の同伴が必要です(保護者も有料)
*チケットの詳細及び注意事項は予告なく変更になる場合があります。チケット購入前と来場の直前に、お客様ご自身で必ず本サイトをご確認ください
監修:安西水丸事務所
協力:武蔵野美術大学 美術館•図書館、堀内カラー
企画協力:クレヴィス
illustrated by Mizumaru Anzai ©︎ Masumi Kishida

