「エルマーのぼうけん」原画写真展 その3

絵:ルース・クリスマン・ガネット 写真:清水奈緒

「エルマーのぼうけん」展では表紙や挿絵の原画が日本で初公開されます。ルース・クリスマン・ガネットが描いた柔らかな絵を、写真家の清水奈緒が実際に絵を見ているように撮り下ろしました。会場で味わう楽しみや発見を、ひと足お先にウェブ上で紹介する写真展です。

~物語のあらすじ~

エルマーと別れたりゅうの子ボリスは、自分の家がある「そらいろこうげん」へ向かいます。ところが15ひきの家族は人間たちにとわられ、ほら穴に閉じ込められていました。ボリスはエルマーに助けを求め、エルマーは素晴らしい計画でりゅうの家族を救いだしました。

16ぴきのりゅうがうまれた

美しい『エルマーと16ぴきのりゅう』表紙の原画ですが、紙の余白には色の試し塗りを見ることができます。試していたのはりゅうの色。おそろいの金色の羽、赤いとさかのほか、黄色や水色、黄緑を組み合わせて、姿の違う16ぴきのりゅうを生み出した試行錯誤のあとです。

夜間飛行

砂漠の上を飛び、家族が捕われている「そらいろこうげん」へ帰ってきたボリス。空気が澄みわたる静かな夜に、ボリスは思わず「なんて、きれいなよるだろう」と言葉をもらすほどでした。

逃げろ!

りゅうを捕えた人間たちを追い払うため、エルマーが考えた脱出作戦に沿ってりゅうたちは大きな音を鳴らし、洞穴からいっせいに飛び立ちます。焚き火を踏み消したりゅうがやけどしていないといいのですが。

ボリスの涙

エルマーとボリスの長い長い冒険もいよいよ終わり、ついに別れがやってきます。さよならを言いあって、ボリスはべそをかきながらエルマーを抱きしめ、親友のことをじっと見つめました。

ねこにだけは

ボリスと別れて家に帰ると、町はおおさわぎ。新聞にも「りゅうそうどう」の記事が載っていました。疑う両親には知らないふりを通したエルマーですが、仲良しのねこには全部話してやりました。

『エルマーと16ぴきのりゅう』原画 1951年 © Dragon Trilogy Irrevocable Trust / Kerlan Collection of Children’s Literature, University of Minnesota Libraries, USA. (撮影:清水奈緒)