tupera tuperaによる作品ガイド③「かおつくリズム」

tupera tupera のふたりが、展覧会「tupera tuperaのかおてん.」をガイド。ひとあし先に、会場にどんな作品があるのか、一緒にのぞいちゃいましょう!

会場写真:吉次史成

「かおつくリズム」

会場の「うず巻き」を進んでいくと、遠くからふしぎな歌声が聞こえてきます。め、みみー、はな、くーち、あたーま……。よく見ると、壁に映像が映し出されています。木の葉や、おもちゃ、くだものが、寄り集まって「かお」になり、歌を歌っています。

「かおつくリズム」
制作:CEKAI
映像:窪田 慎
撮影:田川優太郎
音楽:福田哲丸/鈴木歩積
進行:三上太朗

みんなで歌おう「かおつくリズム」

コマ撮り(ストップモーション・アニメ)の映像作品、楽しいですね。

亀山達矢  これを作ってくれたCEKAIの窪田 慎さんと福田哲丸さんは、絵本『おならしりとり』(白泉社)の時に出会ったクリエイターです。YouTubeにも公開されている「おなラップ」を一緒に作りました。その時のプロセスがあまりにもおもしろくて、確かな技量で、「もうとにかくOK!」みたいな痛快さがありました(笑)。

中川敦子  絵本の絵が動いてしまったら、ある意味NGじゃないですか。絵本って、読み手にイメージしてもらうものだから。でも「おなラップ」はそんな心配を超えていました。

『おならしりとり』のうた 白泉社

亀山  僕らの切り絵をアニメーションで動かす、って難しいと思うんです。でも彼ら、歌も、曲も、アニメーションも、ドンピシャで仕上げてきちゃった。またいつか一緒に仕事したいなあ、と思っていたんです。

中川 この映像はコマ撮でできているんですけど、実は窪田さんはコマ撮りは初めてだったんですって。

それで事前にデジタルのアニメーションで「こういうコマ撮りをやります」って送ってきてくれたんです。その時点ですでに完成しているぐらいの完成度でしたが、窪田さんはあえて手作業にこだわってくれて。1コマ1コマ丁寧に作った映像は、やはり厚みがちがいますね。

tupera tuperaによる「かおつくリズム」のスケッチ

亀山  僕らの手で顔を作る工程も含めた映像になっています。いろんな材料を集めて顔を作り、できあがった顔が歌ったり、動き出す。さらに、その映像を壁にプロジェクションマッピングしていて、おもしろいライブ感があります。

中川  福田哲丸君が作った歌がまたよくて。こちらがひと言説明しただけで、「OKっす。だいたいわかったっすー」って、何日か経って作ってきた曲が最高なんですよ。シンプルで、わかりやすくて、メロディ感があって、本当に気持ちがよかったなあ!

亀山  以前の展覧会で「おなラップ」を会場で流していたら、子ども大人も、みんな歌いながら帰ってるんですよ。今回も、みんなが歌ってくれるといいなあ!