「どうぶつかいぎ展」は、エーリヒ・ケストナーの絵本『動物会議』(1949年)のお話しを8つの場面に分けて、8人のアーティストそれぞれが再解釈を加えて絵や立体、映像で作品を作り、リレー形式でできあがった現代版「動物会議」です。
そんな8人のアーティストたちの作品と、作品に込めた思いを紹介します。
撮影:高見知香
プロローグ「ケストナーとトリアー 動物会議ができるまで」
ヨシタケシンスケさんからのコメント
作者2人の関係と作品執筆の経緯をイメージしていただくことが目的です。50年以上昔の外国のお話とメッセージを、現在の我々の日常とつなげられればいいなと考えました。
第1幕「まったく、人間どもったら!」
梅津恭子さんからのコメント
すべてがここから始まるという意味で、ごくありふれたお茶会でありながら、重要なシーンです。だからこそメッセージを込めず、ただ象とキリンとライオンを作りました。
第2幕「動物ビルで会議があるぞ!」
秦直也さんからのコメント
淡々と静かに伝える様子を描きました。原作とは少し違う個の様子です。現実世界と同じように、動物の営みはさまざま。個性や習性を活かした手段や場面を探し、多種多様な動物と色々なシーンを表しました。
第3幕「世界をきちんとしてみせるよ!」
村田朋泰さんからのコメント
「動物たちにとっての初めての旅」をコンセプトに、動物たちのワクワクする大移動を、陸、空、海ごとに表しました。さまざまな視点で動物たちの旅の楽しさを見ることができます。
第4幕「世界一へんてこな動物ビル」
植田楽さんからのコメント
ここに登場する動物たちは、動物を代表して会議に参加するため、現存するものを多く制作しました。親しみを持ってみてくれて、動物の魅力も感じてもらえるよう、色が綺麗で形を面白がれるものを意識して作りました。
第5幕「子どもたちのために!」
「いざ、動物会議」菱川勢一/2022年 「いざ、動物会議」菱川勢一/2022年
菱川勢一さんからのコメント
ゾウやクマとか、具体的に認識できる「動物」ではなく、「動物的」な何かを作りました。大会議場のシーンにいろんな動物がわんさかいるように、何だかわからないへんてこりんなものがたくさんいることを楽しんでほしいです。
第6幕「連中もなかなかやるもんだ」
鴻池朋子さんからのコメント
動物とは何か、人間とは何か、人間と動物の境界線を認識できる通路を作ることを意識しました。視覚でも言葉でもなく、感触や匂いといった別の感覚器官を使って、全感覚で感じてほしいです。
第7幕「人類がふるえあがった日」
junaidaさんからのコメント
消えた子どもたちは何を感じていたのか。そこに焦点をあて、一人の子どもを大きく描きました。目が覆われているのは、この子が何をどんな眼差しで見ているのか、思い浮かべてほしかったからです。
エピローグ「動物会議はつづく」
ヨシタケシンスケさんからのコメント
『動物会議』の「その後」が気になりました。子どもでも大人でもない若者たちは、どんな思いでいたのだろう。そんなことが思い浮かびました。「子ども側から見た動物会議」を見てみたかったのです。