『動物会議』ってどんな本?

企画展示「どうぶつかいぎ展」

企画展示「どうぶつかいぎ展」は、エーリヒ・ケストナーの絵本『動物会議』(1949年刊行。日本語版は池田香代子訳、岩波書店より)をテーマにしています。挿絵画家は、ケストナーとタッグを組んで、数多くの名作を生み出したヴァルター・トリアー。

トリアーの原画をたどりながら、ケストナーとトリアーが絵本に込めた普遍的なテーマを、8つの場面に分けて紹介します。

イラストはいずれも絵本『動物会議』原画。ヴァルター・トリアー、1947-49年、オンタリオ美術館蔵。©Art Gallery of Ontario

第1幕「まったく、人間どもったら!」

北アフリカのチャド湖のほとり。ゾウ、ライオン、キリンの3匹は一杯やりながらかんかんに怒っていました。
なぜかって?それは、人間たちがいつまでたっても戦争をやめないから。
「子どもたちのために、なにかしなくちゃ!」。物語はこうして幕を開けます。

第2幕「動物ビルで会議があるぞ!」

ゾウがひらめいていいました。「ぼくたちも会議をひらこうよ」。人間は何十回会議をしても何も決められないけれど、自分たちならやれる、と。
今日からきっかり4週間後、場所は動物ビル。このことをありとあらゆる動物に伝えるべく、連絡係が世界中にちらばりました。

第3幕「世界をきちんとしてみせるよ!」

動物たちは世界各地からはりきって出発しました。あるものは蒸気機関車で、あるものはクジラにのって。初めて空を飛んだものもいました。北極チームは氷山にのることにしました。
陸を、海を、空を、たくさんの動物たちが移動します。めざすは、動物ビル!

第4幕「世界一へんてこな動物ビル」

動物ビルは世界一へんてこで、たぶん世界一大きなビル。汽車や汽船や空飛ぶじゅうたんで、めずらしい動物たちが次々と到着する様子に、人間たちは目をまるくします。
新聞記者がつめかけて、動物たちに聞きました。「いったい、なんのためにあつまってるんですか?」

第5幕「子どもたちのために!」

いよいよ最初で最後の「動物会議」が、動物ビルの大会議場ではじまりました。
「僕たち動物は、二度と戦争がおきないことを要求します!」白クマが大きな声で短い演説をすると、われんばかりの拍手、吠え声、唸り声、さえずりが、議場いっぱいにとどろきました。

第6幕「連中もなかなかやるもんだ」

人間は動物たちの要求を拒否しました。あの手この手をくりだして、どうにか要求をのませようとする動物たち。だけど、すぐにひっくり返されてしまいます。
それでも、あきらめるわけには行きません。だってこれは、子どもたちのためなのですから。

第7幕「人類がふるえあがった日」

夜が明けると、地上からすべての子どもたちが消えていました。これが、動物たちの最後の一手でした。
人間は、とうとう永久平和を約束する条約に署名しました。心配された子どもたちは、もちろん無事です。世話好きな動物たちと一緒に、元気に過ごしていました。

エピローグ「動物会議はつづく」

動物たちは勝利をおさめ、人びとは国境をとりはらって握手しました。子どもたちも帰ってきて、みんなで抱き合って笑いました。やってみれば、何でもないことでした。
それから70年あまりがたちました。動物たちは、今日もどこかで子どもたちを思っています。

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