PLAY! ミニインタビューシリーズ 柚木沙弥郎さんを知る人に聞く④

企画展示「柚木沙弥郎 life・LIFE」

2021年11月20日(土)-2022年1月30日(日)の間、PLAY! MUSEUMで開幕した企画展示「柚木沙弥郎 life・LIFE」
柚木さんの作品や人柄は、世代を問わずたくさんの人を惹きつけています。

今回の展示に関わったみなさんや、柚木さんと親交があるみなさんに、今回の展覧会の感想を聞きました。
*記事のまとめはこちら

みなさんへの質問

Q1. 展覧会はいかがでしたか?
Q2. おすすめの作品1つとそのポイントは?
Q3. おすすめのグッズかカフェメニューを教えてください。

林綾野さん(アートキッチン キュレーター、アートライター)

「柚木沙弥郎 life・LIFE」のキュレーション、作品解説の執筆、図録掲載のインタビューを担当。

A1.
柚木さんは、「心を形にする」というお気持ちで作品制作を続けてこられたそうです。
のびやかで美しい布や、色鮮やかで元気いっぱいな絵本の原画を見ていると、おおらかでやさしい気持ちになれます。
柚木さんの心や気持ちがじんわりと伝わってくるからでしょうか。心で感じる展覧会ですね。

A2.
「布の森」にどっしりと掛かっている「幕」ですね。
1950年、柚木さんが28歳の時の作品ですが、白と黒の配色のバランス、リズミカルでしっかりとした模様がみごとです。
幅258cm、高さ184cmもある大作で、柚木さんの作品の中でも大きく見応えがありますね。
2枚の布を縫い合わせて仕上げられていますが、今は亡き奥様がお手伝いされたそうで、柚木さんにとっても想い入れのある作品だそうです。この機会にじっくり見たい素敵な布ですね。

撮影:平野太呂

A3.
千葉県の市川にありますお菓子屋さん「hana」のクッキー、そして図録です。
クッキーは、箱の絵柄、クッキーのデザイン、全て柚木沙弥郎さんによるもの。クッキーはバターの香りたっぷりで甘すぎず、ほろっとした絶妙な歯ごたえ。大好きな味わいです。
かわいくて美味しいので、どなたかへのお土産にもぴったりです。柚木さんの絵柄の箱がその後そのまま使えるのも嬉しいところ。

図録は、柚木さんの布が「原寸大」でプリントされているページがありますので、作品のスケールをそのまま味わえます。(「幕」や「注染布」などのポスターを折りたたんだものがカバーになっています)

掲載の柚木さんへのインタビューは私がさせていただきました。色々と質問ばかりして柚木さんを困らせてしまったのはほろ苦い思い出です(笑)。
柚木さんとその作品世界の素晴らしさを知っていただきたいという想いでまとめましたので、ぜひご一読いただきたいです。

伊藤力丸さん(デザイナー)

図録『柚木沙弥郎 life・LIFE』のデザインを担当。

A1.
図録を制作している際に「(掲載されている作品は)どのように展示されるのかな?」と、
とても楽しみにしていたのですが、このタイミング、そしてこの空間でしか出来なかったであろう展示は、素晴らしかったの一言に尽きます。

A2.
全部です!と言いたいところですが『布の森』でしょうか。
観る場所を変えると、その度に違う表情を見せる布の森は見飽きる事が無く、
いつまでも居たい空間でした。

撮影:平野太呂

A3.
hanaさんのクッキーです。可愛くて美味しいので、是非。

平野太呂さん(写真家)

かつて雑誌『POPEYE』の人気連載「ボクと先輩」で、柚木さんを訪ねたことのある平野さん(2016年に晶文社より単行本化)。
本展では図録『柚木沙弥郎 life・LIFE』収録の染色作品やインタビュー風景と、展示風景の撮影を担当。

A1.
大きな染め物が天井から吊るされて、白い玉石で仕切られた空間は、豪快でありながら上品で良かったです。

撮影:平野太呂

A2.
人形の素材が色々で良く良くみると楽しいです。

A3.
タイルが素敵です!

本吉映理さん(写真家) 

図録『柚木沙弥郎 life・LIFE』収録の染色作品の撮影を担当した、写真家・平野太呂さんのアシスタントを担当。

A1.
どんどんと柚木さんの世界に誘われていくような構成が面白かったです。
作品の持つ力強さ・繊細さをダイレクトに感じることができました。

A2.
「町の人々」は、それぞれの装いや表情に個性があり見ていてとても楽しかったです。
お使いになられている素材の違いなど、細部までじっくりと見入ってしまいました。

撮影:平野太呂

A3.
図録はとても見応えがあるのでおすすめです。
まるで布に触れているかのような仕上がりで、贅沢な1冊だと思います。


松田素子さん(編集者、作家)

当時72歳の柚木さんが初めて手がけた絵本『魔法のことば』(福音館書店)のほか、『せんねん まんねん』(理論社)『雨ニモマケズ』(ミキハウス)を企画・編集。

A1.
まさに柚木さんの作品が息づく森の中を歩いているようでした。会場の作り方もとても有機的でよかったと思います。

撮影:平野太呂

A2. 
絵も染色ももちろんですが、人形たちに目をひきつけられました。

A3. 
カプチーノの上に、柚木さんの絵が浮かぶなんてびっくりでした。飲むのが惜しいほどでした。