詩人のしゅんたろさん(谷川俊太郎)は1960年代から現在に至るまで、さまざまな絵描きや写真家と200冊にも及ぶ絵本をつくってきました。
しゅんたろさんと一緒に絵本をつくった作家から、おすすめのしゅんたろさんの絵本と自著について、コメントが届きました!
亀山達矢と中川敦子によるユニット・tupera tuperaが好きな絵本
『ことばあそびうた』(絵・瀬川康男) 福音館書店 1973年
小さい頃、なんどもなんども読んでいた思い出深い1冊です。最初は言葉のリズムが楽しくて声に出してはいるんだけど、どういう意味なのか?すぐには頭に入ってこない。それで今度は、瀬川康男さんの絵もじっくり見ながら、謎解きのように言葉の意味を探っていく。そんなことを繰り返しているうちに、すっかり覚えてしまって、鼻歌まじりに口ずさんだりしてました。展覧会会場で、けんけんぱをしながら、かっぱのうたを口ずさんだ時、そんな子供の頃の記憶が蘇りました。
tupera tuperaとしゅんたろさんが一緒につくった絵本
『これはすいへいせん』(文・谷川俊太郎、絵・tupera tupera)金の星社 2016年 「谷川俊太郎 絵本★百貨展」会場写真 「谷川俊太郎 絵本★百貨展」会場写真(撮影:高橋マナミ) 「谷川俊太郎 絵本★百貨展」会場写真(撮影:高橋マナミ)
『これはすいへいせん』(絵・tupera tupera)金の星社 2016年
これはすいへいせんの原画は、9色の紙を切り貼りして制作した上に、鉛筆で陰影をつけて仕上げています。この絵本に登場する人物の名前は様々で、ページをめくる度に時空を超えて、いつどこの世界にいるのか?わからなくなります。そんな空気感を、ちょっと色褪せたトーンで表現しました。表紙からぐるっと1周繋がっている「すいへいせん」から、文章がどんどん積み上がっていくデザインや、ページの端っこにあるインデックスのような仕掛けにも、注目してください。