PLAY! MUSEUMの「コジコジ万博」にあわせて、『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』・『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』の2冊の本ができました。
コジコジの魅力をたっぷり詰め込んだポケットブックとファンブック。それぞれのデザイナーと編集者に制作の裏話を聞きました。
書籍2冊は、PLAY! SHOPや全国書店、オンライン(BlueSheep Shop、Amazonなど)で好評発売中!
『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』
『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』 『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』 『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』 『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』 『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』 『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』 『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』 『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』
樋笠彰子さん(デザイナー)
展覧会図録『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』のデザインを担当
コジコジ好きなので、大変と同時に楽しい作業ばかりでした。
さくらプロさんの言葉で印象的だった「やさしみとコジコジみ」を意識してデザインしました。全体として優しい色使いにして、作品が主役になるよう最低限のコジコジらしい装飾でシンプルにまとめています。
さくらさんが描かれた絵を大切にしたかったので、本の中で使っている装飾の飾りや「コジコジ新聞」や「ビッグ・ニュース」の文字などは全て漫画や原画作品の中から抜き出して、既存の飾りや私が描き起こしたりはしませんでした。
かわいく楽しく、コジコジのフリーダムな感じが出せるよう図録の隅っこに主要キャラを小さく潜ませて遊んでいるので、ぜひ見つけてほしいです!トミーが一番見つけるのが難しいと思います。
永岡綾さん(編集者)
展覧会図録『COJI COJI FAN BOOK コジコジのすべて』の編集を担当
わたし、図録の企画書に「コジコジ万博をぎゅーっと凝縮して、ここだけのお宝もちょいとつめこんだ、一家に一冊、あればしあわせ、ザ・コジコジ決定版!」と書いたんですよね。大きくでたものです……。でも、書いたからには、本気で「一家に一冊、あればしあわせ」な本にしよう!と心に決めてつくりました。
「決定版」にもいろいろあって、例えば「アーノルド・ローベル展」の図録(『アーノルド・ローベルの全仕事』)は、代表作「がまくんとかえるくん」だけでなく、無名時代から晩年までの作品を網羅するものです。一方「コジコジ万博」の図録は、『コジコジ』というひとつの作品をただひたすら掘り下げた一冊です。だからこそ、脇役たちのドラマや制作秘話までご紹介することができました。
つくっていくうえで大事にしたのは、必要以上に分析したり意味づけしたりしない、ということでしょうか。コジコジのナンセンスなおかしさ、仲間たちが抱えるモヤモヤの切なさ、そしてメルヘンの国で交錯する人間模様……。編集としては、こうした『コジコジ』という作品の多面的・多層的な魅力を浮き彫りにしていくことに力を注ぎました。大好きな漫画に何を見出すか……その答えは、誰にも邪魔されたくない、読者ひとりひとりの聖域だと思うので。
こうしてつくっていった結果、とてもやさしい本になったと感じています。さくらプロさんのことばを再びお借りすると「一家に一冊、家庭の医学とともに置いていただきたい本」です。
『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』
『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』 『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』 『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』 『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』 『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』 『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』
有山達也さん、山本祐衣さん(アリヤマデザインストア、デザイナー)
展覧会関連書籍『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』のデザインを担当
今回、漫画のコマから吹き出しをはみ出させたり、文字を打ち直したりしました。原作を壊すわけではないけれど、この本においてはこっちの方が良いだろうというデザイン案を出したところ、さくらプロさんから「いいですね!」といっていただけて、デザインしやすかったです。そういうことをわかってくれる方たちだとすごく助かるというか。
シンプルな構成なので大きな苦労話などはありません(笑)。コジコジはあんなキャラクターなので、その通りデザインしたらこうなりました。
ただ書籍において書体選びは意外と重要なんですよね。最初、表紙では游明朝の細いものを使っていたけれど、アンチックを使った方がしっくりくるなと。綺麗にさらっとしているものではなく、ちょっとネチっとしているところがコジコジには合うなと思いました。
他にも、コジコジが喋っている感じをだすために、吹き出しの位置や大きさの調整をしました。漫画の中から一部分だけを抜き出しているため、実際の位置から調整しないとコジコジが話している感じが出ないんですよね。ちょっとコジコジを前にして吹き出しを後ろにしたり。最後の方の、「来たよ」のレイアウトではコジコジを前にしています。
言われないと気がつかないことですが、僕らの工夫は目立ってはいけないんです。コジコジは前に出してあげるけど、僕らは前に出ない。なんか良いこと言ったみたい(笑)。
永岡綾さん(編集者)
展覧会関連書籍『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』の編集を担当
問答集は、漫画を何度も読み込んで「あぁ、コジコジらしいなぁ」と思うことばを見つけることからはじめました。結果、「え、ココ!?」というくらい、小さいコマの小さいセリフを拾っていたりします(笑)。
それから、お話の文脈からはずれないように、またコジコジと一対一で会話している感じになるように質問のテキストを考えました。メルヘンの国の特殊事情やキャラクターの異次元な設定をあえて取り払い、できるだけシンプルな問いに落とし込んでいくことを心がけたのですが、この作業をやっていくなかで、コジコジのすごさをあらためて思い知りました。
トンチンカンだったり、やさしかったり、辛辣だったり、受け手にとってはさまざまに見えるものの、コジコジの心はいつもスコーンと突き抜けた、別次元にある。それはきっと、さくらももこさんご自身がそうだったのかな、と想像します。
まもなく校了というとき、さくらプロの方に「この問答集に、さくらを感じる!」とおっしゃっていただいたのが、何よりうれしかったです。