企画展示「クマのプーさん」展

2022年7月16日(土)ー10月2日(日)

「クマのプーさん展」期間中の利用案内・チケット販売について

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貴重な原画約100点が来日

『クマのプーさん』(Winnie-the-Pooh)は、1926年にイギリス人作家のA. A. ミルンが描いた子ども向けのお話です。少年クリストファー・ロビンのクマのぬいぐるみプーと仲間たちが過ごす日常が、E. H. シェパードの挿画を交えて綴られています。

展覧会は、シェパードが1950〜60年代に描いた貴重な原画約100点とミルンの文章とで、クマのプーさんの物語世界をじっくりとたどってゆきます。クリストファー・ロビンが大好きなプーや仲間たちと過ごした「夢のような時間」が空間全体に広がります。

展覧会監修:安達まみ(聖心女子大学教授)
巡回予定:2022年10月8日(土)―11月27日(日)名古屋市美術館
*開催は東京・立川と名古屋の2会場のみ、追加はありません

展覧会のみどころ

1.「百町森」で絵とことばが響き合う「夢のような時間」を

PLAY! MUSEUMの名物でもある楕円形の展示室が、物語の舞台である「百町森(100 エーカーの森)」にさまがわりします。草木や風、水を想起させる特別な空間のなかで、原画を物語や詩とともに堪能し、クリストファー・ロビンとプーや仲間たちが過ごした「夢のような時間」を体験する場となります。

E. H. シェパード『クマのプーさん プー横丁にたった家』原画 1957 年 E. H. Shepard, Illustration for The World of Pooh by A. A. Milne. Courtesy of Penguin Young Readers Group, a division of Penguin Random House, LLC. © 1957 E. P. Dutton & Co., Inc. 

そんな「百町森」に向かう道をゆくと、「森のなかを行こう」と題した文章が出迎えます。 プーさんの物語の舞台となった、イングランド南部のアッシュダウンの森にも訪れたことのある、 作家の梨木香歩さんによる書き下ろしです。原作をオマージュしたリズミカルな言葉たちと、時節によって様々な表情を見せる森の様子を綴っています。「百町森」に迷い込んだら、どこからともなくプーが現れ一緒に歩く、そんな文とともに展示を楽しむことができます。

「クマのプーさん」シリーズ4冊の中で意外と知られていないのが、2冊の詩集『クリストファー・ ロビンのうた』『クマのプーさんとぼく』です。「百町森」では、1950~60年代に出版された2冊をまとめた本と、2冊からの抜粋集のために描かれた原画をいくつかの詩とともに展示します。 詩の一部は、ミュージシャンの坂本美雨さんの朗読を通して味わうことができます。

会場デザイン

「百町森」の緑、青、黄、赤色の大きな布が広がる空間には、なだらかな丘を想起させるスロープや階段があり、東京・檜原村の木材を活用した展示ケースや、桃色、紺色の額縁に、シェパードが描いた小ぶりの原画が宝物のように収められています。木材は、持続可能な森づくりをテーマに活動する東京チェンソーズの協力を得ています。

シェパードが描いた原画とミルンのことばとの響き合いをより楽しむために、建築家の齋藤名穂とアートディレクターの田部井美奈が、インテリアやグラフィックをデザインします。

「クマのプーさん」展は、空間デザインを建築家・デザイナーの齋藤名穂が、グラフィックデザインは展覧会のポスターや図録のデザインを担当する田部井美奈が手がけます。PLAY! MUSEUMならではの「百町森」をお楽しみください。

「クマのプーさん」展 展示プランのスケッチ、齋藤名穂

2.「クマのプーさん」と本展に出品される原画について

『クマのプーさん プー横丁にたった家』(A. A. ミルン作、石井桃子訳、E. H. シェパード 絵、岩波書店) 

「クマのプーさん」(Winnie-the-Pooh)は、1924年から1928年にかけてイギリスとアメリカで 出版された2冊の詩集と2冊の物語から成るシリーズです。詩集は『クリストファー・ロビンのうた』(When We Were Very Young、1924 年)、『クマのプーさんとぼく』(Now We Are Six、1927年)、物語は最もよく知られる『クマのプーさん』(Winnie-the-Pooh、1926年)と『プー横丁にたった家』(The House at Pooh Corner、1928 年)の2冊です。 

日本での翻訳出版は1940年の『クマのプーさん』(当初は『熊のプー』)が最初で、1942年の『プー横丁にたった家』(当初は『プー横丁にたつた家』)とともに石井桃子訳で岩波書店から刊行されました。その後『クリストファー・ロビンのうた』は1978 年、『クマのプーさんとぼく』は1979年に、小田島雄志と小田島若子の訳で晶文社(現在は河出書房新社)から刊行されています。 

本展では、1950〜60年代、アメリカのダットン社のシリーズ新装版のためにシェパードが描いた原画を約100点展示します。これらのカラー原画は、現在刊行されている岩波書店の『クマのプーさん プー横丁にたった家』『絵本クマのプーさん』の表紙や口絵に使われている、おなじみのものです。原画はダットン社の親会社であるペンギンランダムハウスが所蔵しています。 

3.「Pooh A to Z」~クマのプーさんはどうして愛されるのか? 


「クマのプーさん」展 展示プランのスケッチ、齋藤名穂

知っているようで知らないプーさんのこと、プーさんがどうしてここまで愛されているのかについて、「クマのプーさん」をはじめイギリスの児童文学に造詣の深い本展監修者の安達まみ(聖心女子大学教授)が解き明かします。

物語を生んだシェパードとミルン、プーやイーヨーなどのキャラクター、「てまみ」や「なんにもをする」といったキーワード、日本語版を誕生させた石井桃子や吉野源三郎などについて。 1924年に生まれたプーさんが今日も世界中で愛され続ける秘密を、AからZの26項目に絞りました。それぞれの項目は、安達まみの解説に加え、写真やパネル、ミュージシャンの坂本美雨による物語の朗読、スタイリストの伊東朋惠が選んだつぼや古時計、雨傘などのアイテムで彩られた立体的な展示です。

4. 映像インスタレーション「アッシュダウンの森のきろく」

プーさんの物語の舞台となったイングランド南部のアッシュダウンの森。それは、作者ミルンが幼い頃に父や兄とともに徒歩旅行した場所であり、ミルン一家が週末や休暇を過ごした場所でもあります。

展覧会では、アッシュダウンの森の朝から夜を、空から野原から、草花や木々、川や空、そして風までを体験できる映像インスタレーションを展示します。撮り下ろしの美しい映像が映し出された複数のスクリーンと、音や香りが織りなす特別な空間で、プーと仲間たちを思うことができます。撮影、編集、会場構成は岡本香音が担当しました。

プロフィール

A.A. Milne
アラン・アレクサンダー・ミルン(1882‒1956) 

1882年ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学で数学を学んだのち、風刺雑誌『パンチ』でユーモア作家として活躍。第一次世界大戦に従軍後は、劇作家として注目された。1920年、息子クリストファーが誕生。1924年には初の子ども向け詩集『クリストファー・ロビンのうた』を発表し、成功を収めた。『クマのプーさん』(1926)、詩集『クマのプーさんとぼく』(1927)、『プー横丁にたった家』(1928)とつづく4部作は、時代を超えて世界中で読み継がれている。

E. H. Shepard 
アーネスト・ハワード・シェパード(1879‒1976) 

1879年ロンドン生まれ。奨学金を得て王立芸術院で学び、在学中から挿絵画家として仕事をはじめる。1906年からは風刺雑誌『パンチ』に描くようになり、1924年、A.A. ミルンの詩集『クリストファー・ロビンのうた』の挿絵を担当。以降、クマのプーさん4部作の挿絵を手がけた。カラー版や新版など、4部作に関連する依頼はその後も絶えることがなく、 90代まで絵筆をとりつづけた。ケネス・グレーアムの『たのしい川べ』の美しい挿絵でも知られている。

Winnie-the-Pooh is organized by The Eric Carle Museum of Picture Book Art, Amherst, Massachusetts, United States.

TOPICS

2022年8月21日(日)10:00-18:00/「クマのプーさん」展
「シェパードにしか描けない絵の空気感がすごいな、って思います。」
2022年10月8日(土)―2023年1月15日(日)